ファインダーから覗くまちの風景
まちを見る目は人それぞれ。この記事は、谷根千ご近所にゆかりのある写真家を招いて、まちの風景を撮り下ろしてもらうリレーエッセイです。3回目は、ホテルなどのブランディングイメージや映像制作など、活動されているフォトグラファーのHYOさん。朝の谷中、親しみのある街の風景などを届けてくださいました。今回はその前編となります。後編はこちら。
脚色されていない朝
谷中は大学生の頃から来ているが、意外と朝の街をゆっくり歩いたことがなく
観光地としての街ではなく、脚色されていない朝の谷中を見てみたいと思い、早朝の時間帯を選んだ。
人の後ろ姿を撮るのが好きで、街に住む人々の背中を何枚も撮ってしまった。
表情が見えないからこそ、想像する余白が生まれて愛おしく思う。
五丁目の薬膳カレーじねんじょは昔から大好きで、
コロナ渦を乗り越えて元気そうに営業していてほっとした。
台東区で撤去された自転車の保管場所の一つに、上野桜木自転車保管所がある。
いわゆる自転車の墓場で、蔵前で働いていたころ、5回ほど撤去され懲りずに5回も回収しにいっていた。その度に霊園の木々を抜けて歩く時間が、相棒を蘇生しにいく旅になって少しワクワクした。
5回目に保管所のおじさんから、高級そうなサドルをもらって「もう来るなよ」と言われたセリフを今でも鮮明に覚えてる。そういうドラクエ的なイベントがある街で余計好きになった。
後編は猫を見つけたら帰ろうと思って散策した霊園の写真と
墓にまつわる話を少ししようと思います。(Yikin HYOさん)
まちまち眼鏡店では、メンバーとともにまちを歩きながら写真を撮る「まちまち写真部」が活動中です。活動日程は不定期ですが、撮影会の後にお互いの写真を眺めて交流するお茶会を開いています。タイミングが合えばゲスト写真家とお話する機会もあるかも? ご興味ある方はぜひご入会ください。